給湯器の夏冬切替スイッチって何?|切り替えないと損する?

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お客様
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昔の給湯器にはスイッチがあった気がするけど、今のにはない…。

お湯の救急車
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正解です。今はリモコンで温度設定を変える方式に変わっています。

給湯器に「夏冬切替スイッチ」があると聞いたことはありませんか?実は、この「切替」について正しく理解している人は意外と少ないものです。

今回は、給湯器の夏冬切替の正体と、切り替えないことで実際にどれくらい損をするのかについて、具体的な数字とともに分かりやすく解説します。

この記事の監修者
私がお答えます!
太田 雄冴
お湯の救急車 代表
  • 作業歴8年
  • 対応実績年間3,000件以上
  • 保有資格:第二種電気工事士/ガス消費機器設置工事監督者/ガス可とう管接続工事監督者/ガス機器設置スペシャリスト
  • 即日対応保証 30分以内返信/3時間以内現地到着

豊富な経験をもとに、お客様のご要望に寄り添い、最適なプランをご提案します。価格面でも、お客様のニーズに合わせた柔軟なご相談が可能です。確かな実績ときめ細やかな対応で、お客様に安心と満足をお届けできるよう心がけております。

「夏冬切替スイッチ」の正体は温度設定の変更だった

結論から言うと、現代の家庭用給湯器には物理的な「夏冬切替スイッチ」というものは基本的に存在しません。一部の古い電気温水器には本体にスイッチが付いているものもありますが、現在主流のガス給湯器やエコキュート、石油給湯器では、すべてリモコンで温度設定を変更する仕組みになっています。

つまり、給湯器における「夏冬切替」とは、季節に応じてリモコンで給湯温度を手動で調整することを指すのです。

なぜこうした温度調整が必要なのでしょうか。それは、水道水の温度が季節によって大きく変わるためです。東京都水道局のデータによると、夏の水道水温は約25℃、冬は約9℃と、約16℃もの温度差があります。

同じ温度設定のまま1年中使い続けると、夏は無駄に高温のお湯を作ってから蛇口で水を混ぜて冷ますことになり、冬は設定温度では物足りずに追い焚きが増えるといった無駄が発生してしまいます。

切り替えないと年間5,000~10,000円の損失も

では、実際に季節による給湯温度の調整を行わないと、どれくらい損をするのでしょうか。

一般社団法人日本ガス協会の調査によると、給湯温度を1℃下げるだけでガス使用量が約1.5%削減できることが分かっています。もう少し詳しく見ると、キッチンの給湯温度を3℃下げた場合はガス使用量が1.6%、お風呂の給湯温度を2℃下げた場合は1.9%の削減効果があります。

これを年間で計算すると、給湯温度を5℃下げるだけで約3,750円の節約になります。さらに、春夏秋冬それぞれの季節に応じた適切な温度設定変更を継続的に行うことで、年間5,000~10,000円の節約が期待できるという試算もあります。

なぜこれほど大きな金額差が生まれるのでしょうか。それは、給湯器が家庭で使うエネルギーの約3割を占める最大の消費源だからです。資源エネルギー庁のデータでも、給湯器のエネルギー消費割合は27~30%と報告されており、ここを最適化することが光熱費を抑える最も効果的な方法なのです。

季節ごとに最適な給湯温度はこれだ

それでは、実際にどのような温度設定が推奨されるのでしょうか。一般的に推奨される季節ごとの最適温度は以下の通りです。

季節ガス給湯器エコキュート理由
35~40℃50℃水道水温が高く低めで十分
春・秋40~42℃50~55℃中間的な気温に対応
42~45℃60℃配管の放熱と低い水道水温に対応

夏に高温設定のままにしていると、蛇口やシャワーで水を大量に混ぜて温度を下げることになり、せっかく温めたお湯を無駄にしてしまいます。逆に、冬に低温設定のままでは、お湯がぬるくなりやすく追い焚き回数が増えてかえって光熱費が高くなります。

特にエコキュート(電気でお湯を沸かす給湯器)の場合、夏は50℃、冬は60℃という明確な温度差をつけることが重要です。これは水道水温の違いだけでなく、配管の中でお湯が冷める量も季節で大きく変わるためです。

実際にどうやって温度を変更すればいい?

給湯器の温度設定は、お風呂場やキッチン、洗面所などに付いているリモコンで簡単に変更できます。具体的な操作方法は機種によって異なりますが、一般的には以下のような手順です。

  • リモコンの「温度」ボタンまたは「給湯温度」ボタンを押す
  • 上下ボタンや「+」「-」ボタンで希望の温度に設定する
  • 設定を確定する(機種によっては自動的に確定される)

季節の変わり目、特に春(3月頃)と秋(10月頃)にリモコンの温度設定を見直す習慣をつけると良いでしょう。夏に向かう時期は温度を下げ、冬に向かう時期は温度を上げることで、無駄なエネルギー消費を防げます。

安全面で気をつけたい温度設定のポイント

省エネを意識するあまり、給湯温度を下げすぎると別の問題が発生します。特に注意すべきなのがレジオネラ菌のリスクです。

レジオネラ菌とは:水の中で繁殖する細菌で、吸い込むと肺炎などを引き起こす可能性がある菌です。

厚生労働省の指針によると、レジオネラ菌は25~45℃で最も増えやすく、60℃以上で数分、65℃以上で瞬時に死滅します。このため、給湯温度を55℃以下に設定することは衛生上推奨されていません。省エネ目的で安易に温度を下げすぎると、雑菌が繁殖するリスクが高まる可能性があります。

一方で、高温設定時にはやけどのリスクにも注意が必要です。特に小さなお子さんや高齢者がいるご家庭では、使用時の温度管理に気を配りましょう。

サーモスタット混合水栓とは:お湯と水を自動的に混ぜて、設定した温度のお湯が出る蛇口のことです。

サーモスタット混合水栓を使用している場合は、給湯器本体を50~60℃に設定しておき、蛇口側で適温に調整する方法が効率的で安全です。

まとめ:季節に応じた温度調整で賢く節約しよう

給湯器の「夏冬切替」とは、物理的なスイッチではなく季節に応じた給湯温度設定の変更を意味します。この調整を行わないと、年間5,000~10,000円程度の光熱費増加につながる可能性があります。

夏は35~40℃程度、冬は42~45℃程度を目安に、季節の変わり目にはリモコンで温度設定を見直す習慣をつけましょう。ただし、省エネを意識しすぎて55℃以下に下げることは、衛生面でリスクがあるため避けてください。

給湯器は家庭で使うエネルギーの約3割を占める重要な設備です。適切な温度管理で、快適さと経済性、安全性のバランスを保ちながら、賢く光熱費を節約していきましょう。

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