
給湯器に888って出てる…これって故障?とりあえず使えてるから大丈夫かな?

故障ではありませんが、放置は危険です。今すぐ消し方を確認して、その後必ず点検または交換を検討してください。
給湯器のリモコンに「888」や「88」という数字が点滅していませんか?突然の表示に驚き、故障したのかと不安になる方も多いでしょう。
結論から言うと、点検マークの点滅を放置することは絶対におすすめできません。一酸化炭素中毒や火災など、命に関わる事故につながる危険性があるからです。
この記事では、点検マークが点滅する理由から具体的な消し方、そして消した後の正しい対処法まで、分かりやすく解説します。
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点検マークの点滅は放置しても平気なのか?

まず最も重要な疑問「放置しても平気か」についてお答えします。答えは明確に「NO」です。点検マークの点滅は、給湯器が危険な状態に近づいているサインだからです。
リモコンに表示される「888」または「88」の点滅は、給湯器の故障を示すものではありません。これは「点検時期お知らせ機能」という、安全のための警告表示です。経済産業省が2009年4月から施行した「長期使用製品安全点検制度」に基づいて、給湯器が製造されてから約10年経過すると自動的に点滅を始めます。
この「約10年」という期間は、給湯器メーカーが「標準的な使い方をした場合に安全に使える目安の年数」として設定しているものです。リンナイ、ノーリツ、パロマ、パーパスなど、どのメーカーの給湯器でも共通して表示される仕組みになっています。
では、なぜ放置してはいけないのでしょうか。
点検マーク点滅を放置すると起こる深刻なリスク
最も恐ろしいのは一酸化炭素中毒です。給湯器が古くなると内部の部品が劣化し、ガスが不完全燃焼を起こします。すると無色無臭の一酸化炭素が発生し、気づかないうちに中毒症状が進行してしまうのです。
経済産業省の統計データによると、現在も年間200件以上のガス関連事故が発生し続けています。実際に2018年1月には千葉県内で、43年前に製造された給湯器による一酸化炭素中毒の死亡事故が起きました。また、石油給湯器の火災事故も2016年から2020年の5年間だけで43件発生しています。
参考:長期間使用された製品をお使いの方は、ご注意を! ~43年前の製品(小型湯沸器)で一酸化炭素中毒の疑いがある死亡事故が発生~(2018.01)
さらに、点検マークが点滅している給湯器は、電子基板の劣化、モーターの摩耗、ゴムパッキンの硬化など、複数の部品が同時に劣化している状態です。真冬に突然故障して、お湯が一切使えなくなる可能性も高まります。冬の繁忙期(11月から2月)に故障すると、工事業者の予約が2週間から1ヶ月待ちになることも珍しくありません。
点検マークの点滅を消す方法と注意点
点検マークの点滅は、メーカーごとに決められた操作で一時的に消すことができます。ただし消し方を実行しても、それは単なる表示の解除であり、給湯器の劣化が改善されるわけではありません。応急処置として消し方を知っておき、その後必ず専門家に相談することが大切です。
リンナイ製品をお使いの場合、運転スイッチを5秒以内に5回連続で押します(ON→OFF→ON→OFF→ON)。「888」の点滅が消えれば完了です。ノーリツ製品も同様に、運転スイッチを5秒以内に5回押すことで消すことができます。台所リモコンでも、お風呂のリモコンでも、どちらからでも操作できます。
パロマ製品は製品によって消し方が異なりますが、多くの場合、運転ボタンと別のボタンを同時に押す操作で消せます。パーパス製品の場合は、給湯温度を下げるボタンを押しながら運転ボタンを2秒以上押すと、点滅が消えます。
ここで重要な注意点があります。
点検マークを消しても、給湯器の使用年数がリセットされるわけではありません。一時的に表示が消えるだけで、1年後には再び点滅が始まります。そして何より、内部の部品が劣化している事実は変わらず、安全性が保証されないという点を忘れてはいけません。
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点検マーク点滅後の正しい対処法は点検か交換
点検マークの点滅を消した後、またはそのままの状態で、次にすべきことは「点検を受けるか、交換するか」の判断です。どちらが適切かは、給湯器の使用年数や状態によって変わります。
点検と交換、どちらを選ぶべきか比較
| 項目 | 点検を受ける | 給湯器を交換する |
|---|---|---|
| 費用 | 7,000円~20,000円程度 | 15万円~30万円程度 |
| 時間 | 約40分~1時間 | 半日~1日 |
| 効果 | 現在の安全状態を確認できる | 10年間安心して使える |
| おすすめの状況 | 製造から8~10年程度 | 製造から10年以上経過 |
| その後の対応 | 異常があれば修理または交換が必要 | 当面は対応不要 |
点検を受ける場合、メーカーが提供する「あんしん点検」というサービスがあります。これは国が定めた法定点検に準じた内容で、有償のサービスです。点検では機器内部のガス漏れ検査、一酸化炭素濃度の測定、燃焼状態の確認、安全装置が正常に作動するかなど、複数の項目をチェックします。
リンナイの場合は9,240円から22,000円、ノーリツやパロマは約10,000円程度が標準的な点検費用です。所要時間は約40分から1時間程度となっています。
一方、給湯器を製造してから10年以上使っている場合は、点検よりも交換をおすすめします。その理由は以下の通りです。
点検で問題が見つかって修理しても、10年以上経過した給湯器は他の部品も同じように劣化しています。そのため、修理してもすぐに別の箇所が故障する可能性が高いのです。また、製造から10年以上経つと、メーカーで交換用の部品の生産が終了していることが多く、修理したくてもできないケースもあります。
さらに、最新の給湯器は省エネ性能が高く、毎月のガス代や電気代を抑えられます。給湯器交換の総費用は、給湯専用のシンプルなタイプで約18万円、自動でお湯張りができるフルオートタイプで約25万円から30万円が相場です。
給湯器交換に最適な時期は夏場(6月から9月)です。この時期は給湯器の故障が少なく、工事業者も忙しくないため、スムーズに予約が取れます。また、メーカーが在庫処分セールを行うことも多く、型落ちモデルを安く購入できるチャンスもあります。
逆に避けたいのが冬の繁忙期(10月から3月)です。寒くなるとお湯の使用量が増え、給湯器の故障も急増します。この時期は工事業者への予約が殺到し、2週間から1ヶ月待ちになることも珍しくありません。
まとめ|点検マークの点滅は危険のサイン、放置は厳禁
給湯器の点検マークが点滅している状態は、「そろそろ危険な時期に入りますよ」という警告です。故障ではありませんが、放置すると一酸化炭素中毒や火災といった命に関わる事故につながる可能性があります。
点検マークは一時的に消すことができますが、それは単なる表示の解除であり、応急処置に過ぎません。消した後は必ず専門家による点検を受けるか、給湯器の交換を検討してください。
特に製造から10年以上経過している給湯器は、点検よりも交換がおすすめです。夏場に計画的に交換を進めれば、突然の故障で困ることもなく、工事もスムーズに進みます。点検マークの点滅を見かけたら、「まだ使えるから大丈夫」と放置せず、早めの対処を心がけましょう。あなたとご家族の安全を守るための大切な判断です。
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