二世帯住宅で給湯器1台は無理?|2台設置のメリットと費用

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給湯器2台って、やっぱり高いよね…1台で何とかならない?

お湯の救急車
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完全分離型なら1台では確実に後悔します。毎日のストレスを考えると、2台は必要な投資です。

二世帯住宅を建てる際、給湯器を1台で済ませるか2台設置するかは、多くの方が悩むポイントです。初期費用を抑えたいという思いがある一方で、毎日使うお湯が快適に使えないのは困ります。

「本当に1台では無理なのか」「2台設置するとどれくらい費用がかかるのか」という疑問に、実際のデータと専門機関の情報をもとにお答えします。

この記事の監修者
私がお答えます!
太田 雄冴
お湯の救急車 代表
  • 作業歴8年
  • 対応実績年間3,000件以上
  • 保有資格:第二種電気工事士/ガス消費機器設置工事監督者/ガス可とう管接続工事監督者/ガス機器設置スペシャリスト
  • 即日対応保証 30分以内返信/3時間以内現地到着

豊富な経験をもとに、お客様のご要望に寄り添い、最適なプランをご提案します。価格面でも、お客様のニーズに合わせた柔軟なご相談が可能です。確かな実績ときめ細やかな対応で、お客様に安心と満足をお届けできるよう心がけております。

給湯器1台では二世帯住宅に対応できない理由

結論から申し上げると、一般的な24号の給湯器でも1台では二世帯分のお湯供給が困難というのが実態です。

給湯器の能力は「号数」で表されます。リンナイ公式サイトでは以下のように示されています。

  • 16号:1分間に10L(夏場16L)供給 – 1~2人世帯向け
  • 20号:1分間に12L(夏場20L)供給 – 2~3人世帯向け
  • 24号:1分間に17L(夏場24L)供給 – 4~5人世帯向け

一見すると24号なら二世帯でも十分に思えますが、ここに大きな落とし穴があります。2箇所で同時にお湯を使うと、実質的に能力が半分に分散されるため、どちらも満足に使えなくなるのです。

実際のトラブル事例として、浴槽にお湯を溜めている最中に別の世帯がシャワーを使うと水になってしまう、キッチンでお湯を使っている時は浴槽のお湯がなかなか溜まらないといった問題が報告されています。特に16号の給湯器では、冬場に2箇所同時使用すると冷水を浴びる可能性すらあります。

家族間で「今お湯使っている?」と確認し合う生活は、想像以上にストレスフルです。二世帯住宅を建てる目的の一つが快適な生活の実現であることを考えると、この問題は見過ごせません。

住宅タイプ別:2台必要か1台で済むかの判断基準

二世帯住宅といっても、そのタイプによって給湯器の必要台数は変わります。

住宅タイプ給湯器の設置台数理由・ポイント
完全分離型住宅2台必須各世帯が独立したお風呂・キッチンを持つため、1台では能力不足。追い焚き機能も片方のみ対応となるため、完全独立を実現するには2台必要。
同居型住宅1台で対応可能お風呂を共用するため同時使用リスクが少ない。24号以上の余裕ある号数を選ぶのが望ましい。
部分共有型住宅状況により異なる(1〜2台)水回りが完全に独立していれば2台推奨。お風呂のみ共用なら1台でも運用可能。

完全分離型住宅の場合、2台設置が実質必須です。各世帯で独立したお風呂・キッチンを持つため、1台では能力不足が避けられません。さらに、追い焚き機能は1台の給湯器では片方の世帯のみしか利用できないという制約もあります。完全に独立した生活を望んで完全分離型を選んだのに、給湯器だけ共用では本末転倒です。

同居型住宅の場合は、1台でも対応可能です。お風呂を共用するため、同時使用のリスクが大幅に減ります。ただし、余裕を持った号数(24号以上)を選択することが重要です。

部分共有型住宅の場合は、水回りの独立状況によって判断が分かれます。浴室・キッチンの両方が各世帯で独立している場合は2台を推奨しますが、お風呂だけでも共用している場合は1台でも運用可能です。

エコキュート導入時の見落としがちな制約

省エネ性能の高さから注目されるエコキュートですが、二世帯住宅で導入する際には特別な注意が必要です。

1台のエコキュートから2つの浴槽へお湯を供給すること自体は物理的に可能ですが、自動湯張りと追い焚き機能は1つの浴槽のみでしか利用できないという重要な制約があります。これは配管の構造上避けられない問題です。両世帯で自動湯張りや追い焚き機能を使いたい場合は、2台設置が必要になります。

タンク容量の観点も見逃せません。ベターリビングの調査データによれば、5人世帯の給湯使用量は約506.7L/日です。二世帯住宅では約600~680L/日のお湯が必要になるため、1台で運用する場合は460L以上のタンク容量が推奨されます。容量が不足すると、夜間に沸かしたお湯が日中に切れてしまい、割高な昼間の電気で沸き増しすることになります。

環境省の家庭用給湯器使用状況調査では、戸建住宅ではガス給湯器が50.5%、エコキュートが25.8%のシェアとなっており、二世帯住宅でもこの傾向に準じています。

2台設置にかかる初期費用とランニングコスト

給湯器を2台設置する場合の費用について、具体的な数字で見ていきましょう。

初期費用についてクラマ公式サイトおよびリホームナビのデータでは以下の費用目安が示されています。

給湯器タイプ1台あたりの費用2台設置時の目安
ガス給湯器(追い焚き付)約10~25万円約20~50万円
エコキュート約30~60万円約60~120万円

これに加えて配管工事費用が発生します。リニューア公式サイトでは、2階への水回り増設工事の場合、ユニットバス込みで130~180万円程度の費用が必要とされています。

ランニングコストの比較では、ミズテック公式サイトにおいて以下のデータが公開されています。

  • エコジョーズ(高効率ガス給湯器):年間約13.9万円
  • エコキュート:年間約4.1万円

この差額は年間約9.8万円です。エコキュートの投資回収期間は約6~10年とされており、長期的に住むことを考えれば、初期費用が高くても光熱費削減効果で回収できる可能性があります。

経済産業省の資料でも、家庭のエネルギー消費において給湯が約3割を占める重要分野であり、高効率給湯器の普及が住宅省エネ化の重点項目とされています。

なお、ガス給湯器を2台設置する場合でも、ガスメーターの容量次第では基本料金は1契約でまかなえるケースもあります。設置前にガス会社に確認することをおすすめします。

まとめ:快適性と費用のバランスで判断を

二世帯住宅における給湯器の台数選択は、住宅タイプと生活スタイルによって判断が分かれます。

完全分離型の二世帯住宅では、2台設置が実質必須です。初期費用は増加しますが、各世帯が快適に独立して生活できるメリットは大きく、給湯器が故障した際も片方が使える安心感があります。

同居型や部分共有型で水回りを共用する場合は、1台でも対応可能です。ただし、24号以上の余裕を持った号数を選び、家族間で同時使用を避ける協力体制が必要になります。

エコキュートを選択する場合は、自動湯張りや追い焚き機能の制約を理解した上で台数を決定しましょう。2台設置すれば初期投資は高額になりますが、年間9.8万円程度の光熱費削減効果があり、長期的には回収可能です。

給湯器は毎日何度も使う生活の要です。「少しでも安く」という気持ちは理解できますが、毎日のストレスや不便さを考えると、適切な投資は長い目で見れば決して無駄にはなりません。家族構成、予算、生活スタイルを総合的に考慮して、後悔のない選択をしてください。

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