
マンションの給湯器、エコジョーズに変えるのに管理組合の許可っているの?

分譲なら必須です。共用部分での工事だから、無断だとトラブルになります。
マンションの給湯器が古くなり、省エネ性能の高いエコジョーズへの交換を検討している方は多いでしょう。しかし「自分の家の設備なのに、勝手に交換していいの?」という疑問を持つのは当然です。
実は、マンションでは給湯器交換に管理組合への届出や許可が必要なケースがほとんどなのです。
この記事では、なぜ管理組合の許可がいるのか、どう申請すればよいのか、そして注意すべきポイントを具体的に解説します。
24時間 365日 対応
\ 小さな不安もお気軽に /
【結論】分譲マンションなら管理組合の許可は必須です
分譲マンションでエコジョーズに交換する場合、管理組合への事前申請と許可取得が必要です。これは国土交通省の「マンション標準管理規約」でも、専有部分の修繕等に関する細則として給湯器交換が明確に規定されています。
賃貸マンションの場合は事情が異なります。民法606条により賃貸人(大家)に修繕義務があるため、管理組合ではなく大家の許可が必須です(https://relo-fudosan.jp/hack/knowledge/construction/construction_reform/rent_repair_trouble/)。給湯器は建物付帯設備として大家の所有物であり、借りている方が独断で交換することはできません。経年劣化による故障の場合、修理費用も原則として大家負担となります。
なぜ許可がいるの?給湯器の設置場所が理由です
「自分の部屋の設備なのに、なぜ許可が必要なの?」と疑問に思う方も多いでしょう。理由は給湯器の設置場所にあります。
給湯器は確かに専有部分の設備ですが、実際には共用部分である廊下やベランダに設置されているのです。共用部分で工事を行う以上、他の住民にも影響が及ぶため、管理組合への事前申請が必要とされます。
さらにエコジョーズ特有の事情もあります。エコジョーズは高効率でお湯を沸かす際に、ドレン排水(結露水)が発生します。国土交通省の「潜熱回収型ガス給湯器等ドレン排水の取扱いについて」ガイドラインでは、この排水の適切な処理方法が示されています。PS(パイプスペース:配管を通すための縦穴)内に排水口があることが設置の条件となり、ベランダ設置の場合も近くに排水口が必要です。
管理組合への申請手順|必要書類と流れを解説
では、実際にどのように管理組合に申請すればよいのでしょうか。手順を具体的に見ていきましょう。
第一ステップは、工事業者を決める前に管理会社または管理組合事務所へ相談することです。先に業者と契約してしまうと、後から「この機種は設置できません」と言われるリスクがあります。
相談後、以下の書類を準備して正式に申請します。
- 工事申請書
- 工事仕様書(どんな給湯器をどう設置するか)
- 工事工程表(いつ、何時から何時まで工事するか)
これらの書類を提出すると、理事会での審議が行われるケースもあります。申請から承認まで2週間~1ヶ月程度かかる場合があるため、給湯器が壊れてから慌てるのではなく、余裕を持って計画しましょう。なお、管理組合への届出に手数料がかかることは通常ありません。
最短 30分以内 に
\ 専門スタッフがご案内 /
許可が下りないケースもある|事前確認が重要な理由
エコジョーズへの交換を希望しても、管理組合から許可が得られないケースがあります。主な理由を知っておきましょう。
最も多いのが「号数アップの制限」です。たとえば現在16号の給湯器を20号や24号に変更したい場合、管理規約で禁止されていることがあります。これは、マンション全体のガス供給能力に限界があるためです。全戸が一斉に大きな給湯器に交換すると、ガスの供給が追いつかなくなる可能性があります。
また、ドレン排水の経路が確保できない場合も設置が認められません。経済産業省の省エネ支援事業サイトによれば、ドレン排水は下水道法上「汚水」に分類されますが、JIA(日本ガス機器検査協会)認証機器で中和器により中性化処理(pH7程度)されていれば、雨水と同様の扱いが可能とされています。
確認項目 | 具体的なチェック内容 |
---|---|
管理規約 | エコジョーズ設置の可否、号数アップの制限有無 |
排水設備 | PS内またはベランダ近くに排水口があるか |
ガス供給能力 | マンション全体の供給能力に余裕があるか |
外観規定 | 給湯器の色・サイズ・設置位置に指定があるか |
トラブルを避けるために|近隣への配慮も忘れずに
管理組合の許可を得たからといって、それで終わりではありません。実際の工事では近隣への配慮が欠かせません。
無断で工事を進めると、管理組合から工事中止を命じられる可能性があります。必ず正規の手順を踏みましょう。
工事当日は騒音や振動が発生します。事前に両隣や上下階の住民に挨拶し、工事日時を伝えておくことでトラブルを防げます。また、多くのマンションでは管理規約で工事可能な時間帯が定められています。一般的には平日の9時~17時などに制限されているため、事前確認が必要です。
エコジョーズ設置後の問題として、ドレン排水の臭いが気になるケースもあります。これは排水管の詰まりや中和器の劣化が原因の場合が多く、定期的なメンテナンスで予防できます。
費用面では、給湯器本体と工事費を合わせて15万~30万円程度が相場で、エコジョーズ用のドレン排水工事が別途1.5万円~追加されることがあります。分譲マンションでは区分所有者の自己負担が原則です。
まとめ:正しい手順で快適なエコジョーズ生活を
マンションの給湯器をエコジョーズに変える際、分譲なら管理組合へ、賃貸なら大家へ、必ず事前に申請・許可を得ることが最も重要です。給湯器は専有部分の設備であっても、共用部分に設置されているため、独断での交換はトラブルの原因になります。
手順としては、まず管理会社や管理組合事務所に相談し、管理規約を確認しましょう。ドレン排水経路の確保、ガス供給能力、号数アップの可否など、クリアすべき要件は複数あります。工事申請書などの必要書類を準備し、承認を待つ期間も考慮してスケジュールを組むことが大切です。
正しいプロセスを踏めば、省エネ性能が高く光熱費の節約にもつながるエコジョーズへの交換は十分可能です。快適で経済的な給湯環境を実現するために、焦らず着実に準備を進めていきましょう。
累計100万戸の実績
\ 安心の10年保証 /
