お風呂に入ろうとしたらお湯が出ない、朝シャワーを浴びようとしたら水しか出ない。給湯器の点火トラブルは日常生活に大きな支障をきたします。
給湯器が点火しない原因はさまざまですが、多くの場合は自分で解決できます。この記事では給湯器の点火トラブル対処法を解説します。
今すぐ試せる!給湯器が点火しない時の3つの確認ポイント
給湯器が点火せずお湯が出ないとき、まず次の3点を確認しましょう。
1. ガス供給の確認
- ガス栓が閉まっていないか
- ガスメーターでガスが遮断されていないか
- プロパンガスの場合、ガス切れの可能性はないか
2. 水供給の確認
- 給湯器の給水元栓が閉まっていないか
- 断水していないか(他の蛇口から水が出るか確認)
- ストレーナー(水の入口にあるゴミ除けフィルター)に詰まりがないか
3. 電気関連の確認
- 分電盤のブレーカーが落ちていないか
- 電源プラグがしっかり差し込まれているか
- リモコンにエラーコードが表示されていないか
これらの基本確認で問題が見つかれば、自分で簡単に解決できるケースがほとんどです。
5分で解決!自分でできる給湯器点火トラブルの対処法
ガス関連のトラブル対処法
- ガス栓を開ける
- 給湯器につながるガス栓が閉まっていたら開けます
- ガス栓は通常、管と平行になっていると開いている状態です
- ガスメーターの復帰操作
- すべてのガス機器を止める
- ガスメーターの復帰ボタンを約2秒間押す
- 液晶画面の中のマークが消えれば復帰完了
- ガスメーター表示の確認
- 「A」「C」表示:長時間ガス流れによる遮断
- 「B」「C」表示:地震感知による遮断
水関連のトラブル対処法
- 給水元栓を開ける
- 給湯器の給水元栓(蛇口のような形状)が閉まっていれば開けます
- ストレーナー清掃
- 給水接続口のストレーナーを取り外し
- 水で汚れを洗い流す(歯ブラシなどでこすると効果的)
- 元に戻して水漏れがないか確認
- 水圧不足の確認
- 給湯器は一定以上の水圧がないと作動しません
- 複数の蛇口を同時に使用している場合は他の蛇口を閉めてみる
電気関連のトラブル対処法
- 電源プラグの確認
- プラグがしっかり差し込まれているか確認
- 抜け止めタイプの場合は差し込んだ後にねじる
- ブレーカーの確認と復帰
- 分電盤の「給湯器」または「温水器」のブレーカーを確認
- 落ちている場合は一度OFFにしてから再度ONに
- 給湯器のリセット操作
- リモコンの電源ボタンを押して一度OFFに
- 30秒ほど待ってから再度ONにする
- エラーコードが表示されている場合はメモしておく
リモコンのエラーコードから原因を突き止める!主要メーカー別対応法
エラーコードはメーカーによって異なりますが、代表的なコードと対応方法を紹介します。
リンナイ・ノーリツの場合
- 「011」「111」:点火エラー → ガス栓確認、リセット操作
- 「121」:不完全燃焼防止装置作動 → 専門業者に連絡
- 「032」:給湯温度センサー異常 → 専門業者に連絡
- 「101」:断水検知 → 給水元栓確認、水圧確認
パロマの場合
- 「11」:点火エラー → ガス栓確認、リセット操作
- 「12」:立消え安全装置作動 → ガス栓確認、リセット操作
- 「90」:停電または電源プラグ抜け → 電源確認
エラーコードが表示されたらメーカーの取扱説明書やホームページで詳細を確認しましょう。
冬の大敵!凍結で給湯器が点火しない時の正しい解凍方法
冬季は給湯器や配管の凍結がトラブルの主な原因です。凍結時の適切な対処法を紹介します。
安全な凍結解消法
- 自然解凍を待つ
- 給湯器リモコンの運転をOFF(電源プラグは抜かない)
- 蛇口のお湯側から水が出るようになれば解凍完了
- 解凍後、水漏れがないか必ず確認
- 温度が上がるのを待てない場合
- 給水元栓を覆うようにタオルを巻く
- 人肌程度(30~40℃)のぬるま湯をタオルにゆっくりかける
- 元栓が回るようになったら、蛇口を確認
凍結時の絶対NGポイント
- 熱湯を配管にかけない:配管破損の原因になります
- ドライヤーを使用しない:内部部品の劣化につながります
- 無理に解凍しようとしない:さらなる故障の原因になります
自分では解決できない!専門業者に依頼すべき5つのケース
以下の場合は、自己解決を諦めて専門業者に依頼しましょう。
- 基本的な対処をしても点火しない
- ガス・水・電気の確認とリセット操作をしても改善しない
- 給湯器内部の部品故障が疑われる
- 点火装置(イグナイター)の故障
- 燃焼バーナーの劣化
- ガス電磁弁の開不良
- 水漏れがある
- 給湯器本体からの水漏れ
- 配管からの水漏れ
- 複雑なエラーコードが解消されない
- メーカー説明書で「修理依頼」と指示されているエラーコード
- 異音や異臭がする
- 通常と異なる音や臭いがする場合は安全のため専門家に
修理か交換か?判断のポイント
修理がおすすめの場合
- 給湯器の使用年数が5年以内
- 保証期間内(無料修理可能)
- 一部の部品交換で済む場合
交換を検討すべき場合
- 設置から7~8年以上経過
- 修理を繰り返している
- 故障部品が製造中止
- 給湯器の寿命(約10年)に近い
再発防止!給湯器の点火トラブルを予防する7つの対策
日常的な予防策
- 定期的な点検
- 年に1回は専門業者による点検を受ける
- 点火音や燃焼状態の変化に注意
- ストレーナー清掃
- 3~6ヶ月に一度は給水口のストレーナーを清掃
- リモコン表示の確認
- 燃焼ランプや異常表示がないか定期的に確認
冬季の凍結防止策
- 水抜き栓の操作習得
- 取扱説明書を確認し、水抜き方法を事前に把握
- 凍結予防水流し
- 外気温が氷点下になる夜は、蛇口から細く水を出しておく
- 4mm程度(1分間に200~400cc程度)の水を流す
- 水道代目安:10時間で約25~30円
- 配管の保温
- 露出配管に断熱材やカバーを取り付ける
- 屋外の給湯器には専用カバーや風除けを設置
- 凍結防止ヒーターの活用
- 寒冷地では凍結防止ヒーターの設置を検討
- 0~3度で自動的に温度を上昇させる
- 電源プラグは常に接続しておく
まとめ:給湯器の点火トラブルは冷静な対応が解決の鍵
給湯器が点火しない場合、まずガス・水・電気の3つの基本ポイントを確認しましょう。多くの場合、ガス栓や給水元栓の開閉、ストレーナーの清掃、リセット操作などの簡単な対処で解決します。
冬季は凍結に注意し、適切な凍結防止策を講じることが重要です。自己解決が難しい場合や、給湯器の使用年数が長い場合は、早めに専門業者に相談してください。
給湯器の点火トラブルは日常生活に大きな支障をきたしますが、この記事の対処法を実践すれば、多くの場合は迅速に解決できます。また、定期的なメンテナンスと適切な予防策で、トラブルの再発を防ぎましょう。

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