
地震の後、給湯器が動かない…これって故障?それともガス漏れ?

多くは安全装置が働いただけです。正しい手順で確認すれば、ほとんどのケースで自分で復旧できますよ。
地震が発生した直後、お風呂に入ろうと給湯器のスイッチを入れたら動かない――そんな経験をされた方も多いのではないでしょうか。地震の後に給湯器が使えなくなるのは、多くの場合、安全装置が正常に作動しているためです。
しかし、本当にガス漏れが発生していないか、安全に使用を再開できるのか、不安になるのは当然です。
この記事では、地震後の給湯器の状態確認方法と、自分でできるガス漏れチェックの手順をわかりやすく解説します。
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なぜ地震の後は給湯器が止まるのか?
地震の後に給湯器が使えなくなる最も多い原因は、ガスメーター(ガスの使用量を測る機器)の安全装置が作動したことです。メーカーによると、震度5相当以上の揺れを感知すると、ガスメーターが自動的にガス供給を遮断します。これは給湯器の故障ではなく、ガス漏れによる爆発や火災といった二次被害を防ぐための重要な安全機能です。
都市ガスの場合は赤いランプが点滅し、プロパンガスの場合は液晶画面に「ガス止」と表示されます。この状態であれば、適切な手順を踏むことで、ほとんどのケースで自分で復旧できます。
ただし、地震による影響はガスメーターの作動だけではありません。停電が発生していれば給湯器の電子制御が働かず使用できませんし、断水している場合も給湯器は動きません。給湯器は安全設計として、一定以上の水圧がないと着火しない仕組みになっているためです。
地震後の給湯器チェック【第一段階】ガス臭がしないか確認
給湯器を再び使う前に、最も重要な確認事項はガスの臭いがしないかどうかです。ガスには卵が腐ったような独特の臭いが付けられており、少量の漏れでも気づけるようになっています。
もしガス臭を感じたら、以下の対応を必ず守ってください。
- すぐに窓や戸を開けて換気する
- ガス栓や元栓を閉める
- 屋外の安全な場所に避難する
- 火をつけない、電気のスイッチを触らない
- 換気扇も動かさない(スイッチの火花で引火する危険があります)
- 安全な場所からガス会社に連絡する
ガス臭がする場合は、絶対に給湯器を使用しないでください。自分で判断せず、必ずガス会社や専門業者に点検を依頼することが命を守る上で重要です。
地震後の給湯器チェック【第二段階】石鹸水テストのやり方
ガス臭がしない場合でも、念のため自分でできる簡易的なガス漏れチェックがあります。それが石鹸水テストです。
石鹸水テストの手順
台所用の食器洗い洗剤を水で薄めて霧吹きボトルに入れ、ガス接続部(給湯器とガス管のつなぎ目)や配管の継ぎ目、ホースの接続箇所に吹きかけます。もしガスが漏れていれば、その部分で泡が膨らんできます。
ただし、この方法には限界があることを理解しておく必要があります。一般的に、石鹸水の濃度が薄すぎたり、十分に濡れていない箇所では漏れを見逃す可能性があります。また、アンモニアを含む石鹸は使用しないでください。配管の金属部品を傷める恐れがあります。
石鹸水テストで泡が出た場合は、ガス漏れの可能性が高いため、その箇所のガス栓を閉め、窓を開けて換気し、すぐに専門業者に連絡してください。泡が出なかった場合でも、わずかなガス漏れを完全に否定できるわけではないため、後日、専門家による点検を受けることをお勧めします。
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地震後のガスメーター復帰方法を解説
ガス臭がなく、石鹸水テストでも問題がなければ、ガスメーターの復帰操作を行います。
復帰の前に必ず行うこと
- すべてのガス機器を停止する(給湯器のリモコンを切る、ガスコンロの栓を閉めるなど)
- 給湯器本体や配管に目で見て確認できる損傷がないかチェックする
ガスメーター復帰の手順
- ガスメーターのキャップ(ふた)を外す
- 復帰ボタンを2秒程度しっかり押す
- 指を離したら、そのまま2~3分待つ
- 赤いランプの点滅が消えるか、液晶の「ガス止」表示が消えるのを確認する
メーカーによると、この2~3分の待ち時間は、ガスメーターが自動的にガス漏れの有無を診断している時間です。復帰操作後も赤ランプが点滅し続ける場合は、ガス漏れまたはガス機器の消し忘れの可能性があります。その場合は再度すべての機器を確認し、それでも点滅が続くならガス会社に連絡してください。
復帰が完了したら、給湯器のリモコン電源を入れ直します。停電からの復旧時には、給湯器の設定がリセットされていることがあるため、お湯の温度設定などを再入力する必要がある場合もあります。
こんな時は自分で判断せず専門家へ
以下のような状況では、自分で対応せず、必ず専門業者に点検を依頼してください。
- 給湯器本体に変形やへこみ、破損が見られる
- 配管や接続部に外れや緩みがある
- 水漏れや明らかな損傷がある
- 復帰操作を行ってもエラー表示が消えない
- 煙突のような筒(給排気筒:きゅうはいきとう、排気を外に出す部分)に変形や詰まりが見られる
一般的に、給湯器の耐用年数は約10年とされています。10年以上使用している給湯器の場合、地震の衝撃で内部部品が損傷している可能性も高くなります。外見では判断できない内部の故障もあるため、地震後は一度専門家による点検を受けることをお勧めします。
また、ガス機器の修理や交換には法律で定められた資格が必要です。自分で部品を交換したり調整したりすると、かえって危険な状態を作り出してしまう可能性があります。過去のガス事故の統計では、資格を持たない人による修理が原因の事故も報告されています。
まとめ:地震後の給湯器は慎重な安全確認から
地震の後に給湯器を使う際は、まずガス臭の有無を確認し、石鹸水テストで簡易的なガス漏れチェックを行い、問題がなければガスメーターの復帰操作を試みるという手順が基本です。
最も重要なのは、少しでも異常を感じたら使用を控え、専門家に相談することです。「たぶん大丈夫だろう」という自己判断は禁物です。ガス漏れは爆発や火災、一酸化炭素中毒(換気不良によるガスの不完全燃焼で起こる中毒症状)といった深刻な事故につながる危険性があります。
地震の後は、生活を早く元に戻したいという気持ちから焦りがちですが、給湯器については慎重な確認と適切な手順を踏むことで、安全に使用を再開できます。不安な場合は迷わずガス会社や専門業者に連絡し、プロの目で確認してもらいましょう。安全第一で、地震後の給湯器チェックを行ってください。
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