毎日の生活に欠かせないお湯。「給湯器のリモコンは使わないときも電源をつけっぱなしにしていいのか」という疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。
省エネ意識が高まる今、電気代の節約や安全面を考えると気になるポイントです。
この記事では、ガス給湯器のリモコン電源の正しい扱い方について、専門的知見に基づいて解説します。
最新ガス給湯器の安全設計で「つけっぱなし」も安心な理由
現代の一般的なガス給湯器は、リモコンの電源をつけっぱなしにしていても安全性に問題はありません。これは、リモコンの電源が入っているだけではガスが燃焼せず、実際にお湯を使用する際にのみ着火・燃焼する仕組みが採用されているからです。
最新の給湯器には以下のような複数の安全機能が標準装備されています。
- ガス漏れ検知センサー
- 過熱防止安全装置
- 立消え安全装置
- 凍結防止ヒーター
- 異常燃焼防止機能
これらの多重安全機構により、リモコン電源をつけっぱなしにしていても、火災やガス事故のリスクは極めて低いと言えます。
ただし、20年以上前の旧式給湯器には注意が必要です。
特にバランス釜タイプや種火(パイロットバーナー)を常時点火させる旧型モデルでは安全機能が不十分な場合があります
このような古い機種をお使いの場合は、使用しないときにリモコンの電源をオフにすることを強くおすすめします。
待機電力の実態:リモコンつけっぱなしで発生する電気代を正確に計算
給湯器のリモコンをつけっぱなしにすると「待機電力」が発生します。では、実際にどの程度のコストがかかるのでしょうか?
- 待機電力:約1~3W
- 1日の消費電力:1W×24時間=24Wh~3W×24時間=72Wh
- 月間消費電力:24Wh×30日=720Wh(0.72kWh)~72Wh×30日=2,160Wh(2.16kWh)
- 電気料金(27円/kWhで計算):月額 約19円~58円、年間 約230円~700円
この金額を見ると、「つけっぱなし」でも経済的負担は大きくないことがわかります。ただし、節約志向の方であれば、使わないときにリモコンをオフにすることで、この待機電力分を削減できます。
ガス代への影響ゼロ!リモコン電源の状態別コスト比較
気になるガス代への影響については、リモコンをつけっぱなしにしていてもガス代は一切増加しません。ガスの消費は実際にお湯を使用するときのみ発生するため、リモコンの電源状態はガス代に影響しないのです。
つまり、リモコンをつけっぱなしにすることで発生するコストは、前述の待機電力による電気代のみとなります。
つけっぱなし
メリット
- すぐにお湯が使える
- 操作の手間がない
- 水の無駄遣い防止
デメリット
- 待機電力による電気代(月19~58円)
- 誤作動の可能性
都度オン・オフ
メリット
- 待機電力の節約
- 安全性の向上(古い機種の場合)
デメリット
- 毎回の操作が必要
- お湯が出ないと勘違いして水を流す可能性
経済的観点では、リモコンのオン・オフよりも、給湯器本体の省エネ性能がはるかに重要です。従来型給湯器から高効率タイプ(エコジョーズやエコキュートなど)への交換で、ガス代や電気代を年間数万円単位で削減できる可能性があります。
リモコン電源の正しい管理法:ライフスタイル別おすすめ設定
給湯器リモコンの電源管理は、ライフスタイルによって最適な方法が変わります。
頻繁にお湯を使う家庭の場合
リモコンをつけっぱなしにしておくと、利便性が高まります。特に朝の忙しい時間帯や、家族が多く、頻繁にお湯を使用する家庭では、つけっぱなしにすることで「お湯が出ない」というストレスを防げます。
一人暮らしや日中不在が多い場合
出勤前にリモコンをオフにし、帰宅時にオンにするパターンが効率的です。8時間以上お湯を使わない時間帯があれば、その間はオフにしておくことで、少額ながら電気代の節約になります。
夜間にリモコンの表示ランプが気になる場合
寝室近くに給湯器リモコンがある場合、表示ランプが気になることがあります。そのような場合は、就寝前にオフにしておくと良いでしょう。最新の機種では、表示の明るさを調整できるモデルもあります。
絶対に避けるべき!給湯器トラブルを防ぐための6つの注意点
給湯器を安全かつ効率的に使用するために、以下の点に注意しましょう。
- 給湯器本体のコンセントを抜かない
凍結防止ヒーターなどの安全機能が働かなくなり、冬季は配管凍結・破裂のリスクが高まります。 - 長期不在時は適切な処置を
1週間以上不在にする場合は、リモコンをオフにするだけでなく、取扱説明書に従って適切な水抜き処理を行いましょう。 - 定期的なメンテナンスを実施
年に1回程度、専門業者による点検を受けることで、異常を早期発見し、安全性を維持できます。 - 給湯器の使用年数を確認
給湯器の平均寿命は10~15年です。15年以上経過している場合は、安全面・効率面から交換を検討しましょう。 - リモコン操作を過度に繰り返さない
一般的な使用頻度であれば問題ありませんが、短時間に何度もオン・オフを繰り返すとスイッチ部分の劣化を早める可能性があります。 - 最適温度設定で省エネを
必要以上の高温設定は燃料消費を増やします。シャワーなら40~42℃、食器洗いなら40~45℃が一般的な適温です。
専門家が教える!給湯器の電気代・ガス代を最大限節約する実践テクニック
給湯器の使用コストを効果的に削減するための専門的アドバイスをご紹介します。
短期的にできる節約テクニック
- シャワーヘッドを節水タイプに交換する(最大40%の節水効果)
- 適切な温度設定を心がける(1℃下げるだけでも約3%の燃料節約になる)
- 配管の保温をしっかり行い、熱損失を防ぐ
- 使わない時間帯はリモコンをオフにする習慣をつける
- 給湯器周辺の換気を良くし、効率低下を防ぐ
長期的な節約戦略
- 10年以上経過した給湯器は、高効率モデルへの交換を検討する
- エコジョーズ(潜熱回収型給湯器)で約15%のガス代削減が可能
- エコキュート(ヒートポンプ給湯器)で電気代を従来比約30%削減可能
- 太陽熱給湯システムの導入でランニングコストを大幅に削減
- 給湯器の設置場所を最適化し、配管距離を短くする
まとめ:あなたの生活習慣に合わせた給湯器リモコンの最適な使い方
給湯器のリモコン電源管理について、重要なポイントをまとめます。
- 安全性:現代のガス給湯器は、リモコンをつけっぱなしにしても安全上の問題はほぼありません。ただし、20年以上前の古い機種は注意が必要です。
- 経済性:リモコンをつけっぱなしにしても発生するのは待機電力のみで、月に約19~58円程度。節約効果は限定的ですが、積み重ねれば年間数百円の節約になります。
- 利便性:つけっぱなしにしておけば、いつでもすぐにお湯が使えるというメリットがあります。
- 効率的な使い方:リモコンのオン・オフよりも、給湯器本体の性能や使い方の工夫で、より大きな節約効果が期待できます。
最終的には、あなたのライフスタイルや価値観に合わせて選択するのがベストです。節約を重視するなら「都度オフ」、利便性を優先するなら「つけっぱなし」が適しています。
いずれにしても、給湯器は定期的なメンテナンスと、適切な時期での交換を心がけることで、安全で効率的な使用が可能になります。

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