
また給湯器が壊れた…3年前に交換したばかりなのに。井戸水のせい?

その可能性が高いです。井戸水による給湯器の寿命は1~2年になることも。でも対策すれば10年使えます。
井戸水を使っているご家庭で給湯器の故障に悩まされている方は少なくありません。「数年で壊れた」「修理代が高くついた」という声も聞かれますが、実際のところ井戸水は給湯器にどんな影響があるのでしょうか。
結論から言えば、井戸水使用による給湯器の寿命短縮は本当です。この記事では、その理由と長持ちさせるための対策を、わかりやすく解説します。
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【事実】井戸水だと給湯器の寿命は10分の1になることも
一般社団法人日本ガス石油機器工業会という業界団体によれば、給湯器の通常の寿命は10年とされています。ところが井戸水を使った場合、この寿命が大きく縮まることがわかっています。
具体的には、普通なら10~15年使える給湯器が、井戸水だと1~2年で交換が必要になるケースも報告されています。これは井戸水の水質によって実際に起こっている問題です。
さらに、ほとんどのメーカーが取扱説明書で「井戸水では使わないでください」と書いています。つまり、井戸水が原因で壊れた場合はメーカー保証が使えません。修理や買い替えの費用は全額自己負担となってしまいます。
なぜ井戸水だと給湯器が早く壊れるのか?
井戸水で給湯器が早く壊れるのには、はっきりとした原因があります。主な理由は3つです。
理由①:井戸水に含まれる酸が配管を溶かす
井戸水、特に浅い井戸の水には「遊離炭酸」という酸性の成分が多く含まれていることがあります。簡単に言うと、井戸水が酸性に傾いているということです。
厚生労働省が定める水道水の基準では、酸性度を示すpH値は5.8以上とされていますが、多くの井戸水はこれより酸性が強くなっています。
この酸性の水が給湯器の中にある銅でできた配管を少しずつ溶かしていき、最終的には穴が開いてしまいます。酸が濃いほど配管が溶けるスピードは速くなり、数年で使えなくなることもあります。
理由②:ミネラルが固まって配管が詰まる
井戸水にはカルシウムやマグネシウムといったミネラル(鉱物)が多く含まれています。これらが給湯器の中で固まって、白い石のような「水垢(みずあか)」になります。お風呂の鏡や蛇口に付く白い汚れと同じものです。
東京都水道局のデータでも、地下水は水道水よりミネラルが多いとされており、給湯器への影響も大きくなります。
水垢が配管の中にたまると…
- お湯が通りにくくなる
- 熱が伝わりにくくなって効率が悪くなる
- 温度センサーが正しく働かなくなる
といった問題が起こります。
理由③:サビや穴あきが発生しやすくなる
水垢が給湯器の内側に付くと、金属を守っている薄い保護膜が壊れてしまいます。その結果、針で刺したような小さな穴が開いて水漏れしたり、熱を発生させる部品が壊れたりします。
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井戸水でも給湯器を長持ちさせる4つの方法
井戸水で給湯器の寿命が短くなるのは避けられませんが、きちんと対策すれば改善できます。
方法①:水をきれいにする装置を取り付ける
最も効果的なのは、給湯器の手前に水質改善の装置を付けることです。代表的なものは次の3種類です。
装置の名前 | 取付費用 | 年間の維持費 | どんな効果があるか |
---|---|---|---|
軟水器 | 約33万円 | 約3,000円 | ミネラルを減らして水垢を防ぐ |
フィルター式浄水器 | 5~15万円 | 数千円 | 砂や鉄分、臭いを取る |
高性能浄水器(RO装置) | 15~40万円 | 1~2万円 | ほぼ純水にできる |
軟水器は、水垢の原因になるカルシウムやマグネシウムを取り除く装置です。高性能浄水器(RO装置)は、どんな井戸水でも対応できるほど強力に水をきれいにします。
方法②:井戸水に対応した給湯器に替える
パーパスというメーカーは井戸水対応の給湯器を普通に販売しており(型番の最後に「-P」と付いています)、リンナイやノーリツも特別注文で作ってくれます。これらは銅ではなくサビに強いステンレスの配管を使っているため、井戸水でも長持ちします。
ただし、普通の給湯器より10~15万円ほど高くなります。また、井戸水対応と言ってもすべての井戸水で使えるわけではなく、事前に水質検査が必要です。水質が基準に合わなければ、井戸水対応機種でも保証が受けられません。
方法③:こまめに点検・掃除をする
井戸水を使う場合は、通常より頻繁に1~3年に1回の点検・掃除が必要です。
主な点検内容
- 配管の中の水垢をブラシや薬品で洗い流す
- フィルターの掃除や交換
- 井戸のポンプの点検や修理
費用は約2万円からで、作業内容によっては10万円を超えることもあります。しかし、定期的に手入れをすることで、高額な修理や買い替えを防げます。
方法④:まずは水質検査を受ける
井戸水対応の給湯器を入れる場合でも、水質検査は必ず必要です。検査費用は、基本的な10項目で約1.8万円、井戸水用の詳しい検査(26項目)で約5.3万円ほどです。
環境省が定める地下水の基準や水道水の基準を参考に、専門の検査機関で調べてもらいましょう。水質によっては、給湯器を使うこと自体を考え直す必要がある場合もあります。
まとめ|井戸水でも対策すれば給湯器は長く使える
井戸水で給湯器の寿命が短くなるのは、水に含まれる酸が配管を溶かしたり、ミネラルが固まって詰まったりするからです。これは科学的にも証明された事実です。
しかし、水質改善装置を付ける、井戸水対応の給湯器に替える、こまめに点検する、事前に水質検査を受ける、といった対策を組み合わせれば、大きく改善できます。
最初にお金はかかりますが、何度も給湯器を交換する(ガス式で12~25万円、電気式のエコキュートで35~60万円)ことや、高額な修理代(大きな故障で10万円以上)を考えれば、長い目で見れば安く済みます。
井戸水を使っている方は、まず水質検査を受けて、今の井戸水がどんな状態なのかを知ることから始めましょう。
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