近年、給湯器の導入方法として「サブスクリプション(サブスク)」が大きな注目を集めています。「初期費用0円」という魅力的なフレーズとともに広まるこのサービス、実際のところはどうなのでしょうか?
本記事では、給湯器サブスクリプションの仕組みからメリット・デメリット、コスト比較まで徹底分析し、あなたにとって本当にお得な選択肢なのかを明らかにします。
給湯器サブスクリプションとは
給湯器サブスクリプションとは、給湯器を「購入」するのではなく、「利用権」に対して月額料金を支払う新しいビジネスモデルです。
従来、給湯器は10万円から50万円程度の初期費用を支払って購入するものでしたが、サブスクリプションでは初期費用0円で最新の給湯器を導入できます。代わりに月々定額の料金を支払いながら利用する形になります。
車のリースに近い考え方で、「所有」から「利用」へと価値観がシフトする現代のライフスタイルに合った選択肢として人気を集めています。
給湯器サブスクは、初期費用なしで月額料金だけで利用できる新しいスタイルのサービス。
給湯器サブスクリプションの仕組み
給湯器サブスクリプションの基本的な仕組み
給湯器サブスクリプションの基本的な仕組みは以下の通りです。
- 初期費用0円で給湯器を設置
- 月々定額料金を支払いながら利用
- 契約期間は通常5年〜10年
- メンテナンス・修理は基本的に無料
- 契約期間満了後、多くの場合は給湯器が無償譲渡される
例えば、富岳物産のガス給湯器リースでは、工事費・撤去費込みで月々1,100円(税込)という料金体系になっています。一方、通常購入する場合は本体価格15万円〜に加え、設置・撤去費用で約5万円がかかり、合計約20万円の出費となります。
給湯器サブスクリプションの契約期間と譲渡について
多くのサービスでは契約期間満了後(通常10年程度)に給湯器が利用者に無償譲渡されるシステムになっています。
例えば、イーネットワークシステムズの「ソラリスhot」では、10年の契約期間満了後に太陽光発電システムとハイブリッド給湯器がお客様に無償譲渡されます。
給湯器サブスクリプションの主要サービス提供企業と特徴
給湯器サブスクリプションを提供している主な企業と、それぞれのサービスの特徴を紹介します。
ノーリツ「湯~Pay」
- 最長20年間給湯器を使用可能
- IoTの仕組みを利用して機器の不具合を監視
- 契約期間中のメンテナンス費用不要
- 契約終了時には機器を再資源化して環境に配慮
- 月額料金:約2,000円〜
東北電力「eライフリース」
- エコキュートやエアコン、IHクッキングヒーターなど12種の最新電化機器が対象
- 「契約プラン」「リース期間」「支払い方法」が選べる
- 月額料金:約1,500円〜5,000円(機種による)
関西電力「はぴeセット」
- 一定量までの電気料金と電化機器のリース料金がセット
- 10年間・月々コミコミ定額の電化サブスクリプションメニュー
- 月額料金:約3,000円〜(プランによる)
給湯器の種類別コスト比較
給湯器サブスクリプションと購入を比較する前に、まずは給湯器の種類別のコストを確認しましょう。
ガス給湯器
項目 | コスト |
---|---|
初期費用(本体+工事費) | |
給湯専用 | 5.2万〜8万円 |
追い焚き機能付き | 9.7万〜20.7万円 |
エコジョーズ | 11.8万〜26万円 |
月あたりのランニングコスト | |
都市ガス | 5,500〜7,000円/月 |
プロパンガス | 7,000〜10,000円/月 |
灯油給湯器
項目 | コスト |
---|---|
初期費用(本体+工事費) | 15〜35万円 + 工事費3〜5万円 |
月あたりのランニングコスト | 5,000〜6,000円/月 |
電気給湯器(エコキュート)
項目 | コスト |
---|---|
初期費用(本体+工事費) | 30〜50万円 |
月あたりのランニングコスト | 1,000〜3,000円/月 |
年間ランニングコスト | 約18,000〜30,000円 |
給湯器サブスクリプションvs購入のコスト比較
ここからは、給湯器をサブスクリプションで利用する場合と購入する場合のコスト比較を行います。
給湯器サブスクリプション方式
- 初期費用:0円
- 月額料金:約1,000円〜5,000円(機種による)
- 10年間の総支払額:12万円〜60万円
- 特徴:メンテナンス費用含む、故障時の修理無料、契約満了後に無償譲渡される場合が多い
給湯器購入方式(ガス給湯器の場合)
- 初期費用:10万円〜25万円
- メンテナンス:別途必要(例:ノーリツの10年保証プランで約3万円)
- 10年間の総コスト:初期費用 + メンテナンス費用 = 13万円〜28万円
ランニングコスト比較
エネファームのシミュレーションによると、エコキュートのランニングコストは都市ガスやLPガスと比べても非常に安くなっています。年間ランニングコストの比較では:
- エコキュート:約2,857円/月(年間34,292円)
- 都市ガス:約7,518円/月(年間90,218円)
- LPガス:約12,239円/月(年間146,870円)
給湯器サブスクリプションの5つのメリット
給湯器サブスクリプションには以下のようなメリットがあります。
1. 初期費用がかからない
最大のメリットは初期費用0円で導入できることです。通常、給湯器の購入と設置には約10万円〜50万円かかりますが、サブスクリプションなら初期費用なしで最新の給湯器を導入できます。
2. メンテナンス費用が不要
契約期間中のメンテナンス費用が基本的に不要で、修理が必要になった場合も無料で対応してもらえることが多いです。
3. 最新技術を利用できる
IoTの仕組みを利用して機器の不具合を監視するなど、最新技術のメリットを享受できます。
4. 契約満了後に無償譲渡
多くのサービスでは、契約期間(通常10年)満了後に給湯器が無償で譲渡されます。
5. 予算計画が立てやすい
月々定額の支払いなので、予算計画が立てやすく、家計管理の負担が軽減されます。
給湯器サブスクリプションの4つのデメリット
一方で、以下のようなデメリットもあります。
1. 長期的には購入より高額になる可能性
リースをする場合、初期費用がかからないので一見するとコストを抑えられているように思えます。しかし、購入よりも金利が高いため、トータルで見たときに多く支払っている可能性があります。
2. 途中解約で違約金が発生
特にエコキュートをリースする場合、途中解約すると違約金が発生する可能性があります。今主流のサブスク感覚で気軽に導入すると、後で高額な違約金に驚くことになるかもしれません。
3. 選択肢が限られる
サブスクリプションで提供される給湯器の種類やモデルは限られており、自分で好きな機種を選べないことがあります。
4. 長期契約によるリスク
10年という長期間の契約は、ライフスタイルの変化や引っ越しなどに対応しにくく、柔軟性に欠ける面があります。
給湯器サブスクリプションが向いている人
以上の分析から、給湯器サブスクリプションが向いているのは以下のような方々です。
- 初期費用の負担を避けたい方:まとまった資金を給湯器に使いたくない方
- まとまった資金を用意できない方:一括で高額な支払いが難しい方
- 故障時のリスクを避けたい方:突然の故障や修理費用に備えたい方
- メンテナンスの手間を省きたい方:定期点検などの管理が面倒な方
- 比較的短期間(5〜7年程度)での使用を考えている方:長期間使わない予定の方
給湯器購入が向いている人
一方、以下のような方々は購入の方がお得かもしれません。
- 長期間(10年以上)使用する予定の方:同じ場所に長く住む予定の方
- 総コストを最小化したい方:長期的な視点でコストパフォーマンスを重視する方
- 自分で給湯器の種類やモデルを選びたい方:特定の機能や性能にこだわりがある方
- エコキュートなど、ランニングコストが安い機種を使いたい方:長期的な光熱費削減を重視する方
まとめ:給湯器サブスクリプションは本当にお得か?
給湯器サブスクリプションは、「初期費用0円」という魅力的な特徴を持っていますが、長期的に見るとトータルコストは購入よりも高くなる傾向があります。
特にエコキュートは初期費用が高いものの、ランニングコストが非常に安いため、10年以上使用すれば初期費用の差額を回収できる可能性があります。
結論として、給湯器サブスクリプションは以下の場合にお得と言えます。
- 初期費用の負担を避けたい場合
- メンテナンスの手間や故障時のリスクを避けたい場合
- 比較的短期間での使用を予定している場合
一方、長期間使用する予定がある場合や、総コストを最小化したい場合は、購入を検討した方が経済的かもしれません。
どちらを選ぶにしても、ご自身のライフスタイルやニーズに合わせて検討することが大切です。給湯器サブスクリプションと購入、どちらも一長一短があるため、自分の状況に最適な選択をしましょう。
給湯器サブスクリプショに関するよくある質問
給湯器サブスクリプションの契約期間は何年ですか?
契約期間中に引っ越す場合はどうなりますか?
サブスクリプションの月額料金には何が含まれていますか?
エコキュートのサブスクリプションは本当にお得ですか?
給湯器サブスクリプションを提供している主な会社を教えてください。

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