突然、給湯器のリモコン表示が消えてしまうと焦りますよね。
朝シャワーを浴びようとしたら動かない、お風呂を沸かそうとしたらリモコンが真っ暗…そんな経験はありませんか?実は給湯器のリモコン表示が消える原因は電池切れだけではありません。
この記事では、プロの視点から原因究明と解決策を徹底解説します。DIYで対処できる方法から専門業者に依頼すべき状況まで、あなたの困った!を解決します。
【基本知識】ガス給湯器のリモコンは大半が電池不要!あなたの家はどのタイプ?
まず意外と知られていない事実ですが、ほとんどのガス給湯器リモコンは電池を使っていません。リモコンにはこの2種類があります。
有線リモコン(電池不要タイプ)
- 給湯器本体からケーブルを通して電源を取得
- 日本の一般家庭のガス給湯器では最も一般的
- ノーリツ、パロマなど大手メーカーの標準タイプ
- リモコンから給湯器までケーブルが繋がっている
無線リモコン(電池式)
- リンナイが主に販売する特殊タイプ
- もともとナショナル(現パナソニック)の特許技術(2007年撤退後リンナイが継承)
- コードレスで使用できる利便性がある
- 単三または単四アルカリ電池使用(寿命約1年)
- リモコン裏に電池ボックスがある
あなたのタイプを確認する方法
- リモコン裏面に電池ボックスがあるか確認
- リモコンから配線が出ているか確認
- 取扱説明書で確認(紛失時はメーカーサイトで型番から検索可能)
【原因別】リモコン表示が消える10の理由と即チェックすべきポイント
1. リモコンの電源スイッチがOFFになっている
意外と多いのが、単純に「運転ボタン」が押されていないだけというケース。特に、リモコンを掃除した後や小さなお子さんが触れたあとなどに起きやすいです。
対処法
- 「運転」や「電源」ボタンを一度押してみましょう
- 反応がなければ、次の項目へ
2. 複数のリモコンの連動がうまくいっていない
浴室と台所など、複数のリモコンが設置されている場合、メインリモコンがOFFになっているとサブリモコンが動作しないタイプがあります。
対処法
- すべてのリモコンを確認し、メイン側のリモコンがONになっているかチェック
- 特に「主リモコン(台所)」が操作可能かどうかを先に確認しましょう
3. 電池式リモコンの電池切れ
無線タイプやポータブルタイプのリモコンは乾電池駆動のものがあります。電池の消耗で表示が消えるのはよくあるトラブルです。
対処法
- 電池を新品に交換(アルカリ電池がおすすめ)
- 電池の向きや接触部のサビもチェック
- 長期間使っていなかった場合は特に要注意
4. 給湯器本体の電源が切れている/ブレーカーが落ちている
給湯器が電気で動いていることを忘れがちですが、コンセントが抜けていたりブレーカーが落ちていたりするとリモコンも表示されません。
対処法
- 給湯器本体のコンセントが確実に差さっているか確認
- 分電盤(ブレーカー)のスイッチが落ちていないかチェック
- 停電後などは特に確認を!
5. 操作ロック機能が作動している
小さなお子さんの誤操作を防ぐためにロック機能が働いている可能性があります。ロック状態ではボタンを押しても反応しません。
対処法
- 「ロック解除」のためのボタン操作(多くは「▲と▼同時押し」「長押し」など)を試す
- 機種によって異なるため、取扱説明書で確認しましょう
6. リモコンと給湯器本体の接続不良
リモコンは給湯器本体とケーブルで接続されている場合があります。これが緩んでいたり、差し込みが甘いと表示が出なくなります。
対処法
- リモコンの裏側(壁の中)の接続端子を確認
- 給湯器本体側の端子(多くは本体下部)も確認
- 湿気や劣化で抜けやすくなることも
7. 配線の劣化・サビ・断線
特に築10年以上経った住宅や、浴室に設置されたリモコンでは、湿気や経年劣化で配線に不具合が生じることがあります。
対処法
- 接続部にサビや腐食がないか確認
- 素人では判断が難しい場合が多いため、異常が見られたら業者に相談
- 定期点検やメンテナンスで未然に防ぐことも重要です
8. リモコンの液晶パネル自体が故障している
お湯は出るのに「表示だけ消えている」場合は、リモコンの液晶表示部の不具合が疑われます。
対処法
- 他の操作(温度変更など)が反応するか試す
- 一切表示が戻らない場合はリモコンの交換が必要な可能性大
- メーカーや修理業者に相談を
9. 給湯器本体の制御基板や電気系統の故障
本体内部の制御基板・電源ユニット・表示制御回路などのトラブルにより、リモコンの表示が出ないこともあります。
対処法
- 自力での対応は難しいため、メーカーや専門業者による診断が必要
- 「お湯が出ない」「エラー音が鳴る」など他の症状もある場合は、速やかに修理依頼を
10. 給湯器の経年劣化による複数トラブルの併発
使用年数が10年以上の給湯器では、複数の問題が同時に起きていることもあります。表示不良の裏に、電気系統の異常やリモコンの劣化などが隠れていることも。
対処法
- お湯が出るかどうかである程度の切り分けが可能
お湯が出る → リモコン側の問題
お湯が出ない → 本体側や電源系の問題 - 10年以上経過している場合は本体交換も視野に
【電池式リモコン】正しい電池交換の手順と見落としがちな注意点
電池式リモコン(無線タイプ)をお使いの場合、表示消失の最大の原因は電池切れです。正しい交換手順を守りましょう。
電池交換の詳細手順
- 必要な電池を確認(リモコン裏面や説明書に記載)
- 多くは単三または単四アルカリ電池2本
- メーカー推奨の電池タイプを使用
- リモコン裏面のカバーを外す
- 小さなネジが付いている場合はプラスドライバーで外す
- ツメ式の場合は爪や硬貨などでカバーを持ち上げる
- 正しい向きで新しい電池をセット
- プラス・マイナスの向きを必ず確認
- 両方とも新しい電池に交換(古い電池と混ぜない)
- カバーを元に戻し、動作確認
- しっかりとカバーを閉める
- 「運転」ボタンを押して表示が戻るか確認
電池交換時の重要ポイント
- リンナイの床暖房リモコンなど一部機種では電池消耗が早いケースあり
- マンガン電池よりアルカリ電池が推奨(約2倍の寿命差)
- リチウム電池は過電圧で故障の原因になるため使用不可の機種多数
- 電池端子の接点が錆びている場合は綿棒で清掃
- 電池交換後も表示されない場合は端子のバネが変形していないか確認
【緊急対応】プロ直伝!リモコン表示復活のための5つの実践テクニック
電池交換以外でも、自分でできる応急処置があります。安全に配慮して実施しましょう。
【テクニック1】リモコンリセット
- 給湯器の電源を完全に切る
- 最低1分間待機
- 再度電源を入れて「運転」ボタンを押す
- 多くの電子機器と同様、一時的な不具合が解消することがある
【テクニック2】配線接続部の点検と清掃
- 給湯器本体の電源プラグを必ず抜く(感電防止)
- 給湯器本体下部のカバーを開ける(通常は小さなネジで固定)
- リモコン配線の接続端子を確認
- 端子部分のサビや汚れを確認し、乾いた布で清掃
- 接続をし直して電源を入れる
【テクニック3】サビた配線の応急処置(経験者向け)
- 給湯器本体の電源を必ず切る
- サビている端子部分を特定
- ドライバーでビスを緩める
- 配線のサビた部分をカッターナイフで切除
- 被覆を剥き、新しい銅線を露出させる
- 再度端子に接続し、ビスで固定
- 電源を入れて確認
【テクニック4】メーカー別エラーコード確認
- 完全に消えていない場合は表示されたコードを確認
- 代表的なエラーコード:
- ノーリツ:888(通信異常)、11(点火不良)、32(温度センサー故障)
- リンナイ:00(電源系統)、14(点火不良)、16(過熱防止)
- パロマ:111(フレームロッド)、140(停電検知)、710(風圧センサー)
【テクニック5】電源系統の総点検
- 給湯器用ブレーカーを一度OFFにする
- 30秒以上待機
- ブレーカーをONに戻す
- コンセントが正しく接続されているか確認
- コンセント自体が通電しているか他の機器で確認
安全上の注意点
- 電気工事の経験がない方は配線修理を無理に行わない
- 湿気がある状態での作業は絶対に避ける
- 異臭や発熱がある場合は専門業者に依頼する
- 10年以上使用している給湯器は部品劣化のリスクも高いため注意
【専門家判断】自力で解決できない場合の判断基準と業者選びの秘訣
自分での対処に限界を感じたら、専門業者への依頼を検討しましょう。その判断基準と良い業者の選び方をご紹介します。
専門業者に依頼すべき明確な状況
- 上記の対処法をすべて試しても改善しない
- リモコン以外の問題(お湯が出ない、温度調節ができないなど)も発生
- 配線の劣化や断線が明らかで自分での修理が難しい
- 電気系統からの異音や焦げ臭いにおいがする
- 10年以上使用している給湯器で複数の不具合がある
メーカー・機種別の重要ポイント
- リンナイ製品:コードレスリモコンの故障は他メーカーより修理難易度高め
- パナソニック(旧松下)製品:2008年にガス機器販売終了、現在は補修部品供給も終了
- 10年以上前の機種:部品供給が終了している可能性大(修理より交換を検討)
信頼できる業者選びのポイント
- メーカー指定のサービス店を優先(公式サイトで検索可能)
- 複数の業者から見積もりを取り比較
- 出張費や診断料の有無を事前確認
- 「リモコン交換」と「給湯器本体交換」両方の見積もりを取得
- 保証内容と期間を明確に確認
修理と交換の費用目安
- リモコン単体交換:10,000円〜30,000円
- 配線修理:5,000円〜15,000円
- 給湯器本体交換:80,000円〜200,000円
- 工事費:15,000円〜40,000円
【まとめ】リモコントラブルの解決法と今後のための予防策
給湯器リモコンの表示が消える問題は、原因を正しく特定することで多くの場合、解決可能です。
原因別解決法の総まとめ
- 電池式リモコン → 電池交換を最優先
- 有線リモコン → 電源確認・配線チェックが重要
- 複合的な問題 → メーカー別のエラーコード確認と専門業者相談
再発防止のための予防策
- 電池式リモコンは定期的な電池交換(目安は年1回)
- リモコン表示の前兆に注意(一部表示のみ、ちらつきなど)
- 浴室リモコンは防水性の維持(シーリング劣化チェック)
- 配線部分の定期的な点検(特に古い住宅)
- 給湯器本体の定期メンテナンス(メーカー推奨は1〜2年に1回)
長寿命化のためのアドバイス
- 浴室リモコン周辺は清潔に保ち、カビや湿気を防止
- リモコン操作時は強い力で押さない
- リモコンカバーを閉め、水や湿気から保護
- 10年を目安に給湯器の点検または交換を検討
給湯器は毎日の生活に欠かせない重要な設備です。この記事の情報を参考に、トラブルを迅速に解決し、安心して温かいお湯を使える生活を維持しましょう。困ったときはこの記事に戻って原因と対策を再確認してください。

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