
ガスコンロは使えるのに、給湯器だけお湯が出ない…なんで?

それ、点火装置だけが壊れてます。ガスは来てるのに火がつかない典型的な症状ですね。
ガスコンロは普通に使えるのに、給湯器だけお湯が出ない──。点火しようとしても「カチカチ」という音が聞こえない、あるいはリモコンにエラーコードが表示される。こんな症状が出たら、給湯器の点火装置だけが故障している可能性が高いです。
点火装置(イグナイターとも呼ばれます)は、電気の力で火花を飛ばしてガスに着火させる部品です。この部品だけが壊れても、ガス自体は正常に供給されているため「ガスは来てるのに火がつかない」という不思議な状況が起こります。
本記事では、点火装置の故障を見極める診断手順と、今すぐ試せる対処法をわかりやすく解説します。
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点火装置だけ壊れるとこんな症状が出る
給湯器の点火装置に不具合が生じると、いくつかの特徴的な症状が現れます。
最もわかりやすいのが、お湯を出そうとしても「カチカチ」という点火音が聞こえない状態です。正常な給湯器では、蛇口をひねると点火装置が作動して火花を飛ばし、ガスに着火します。この音や火花が確認できなければ、点火装置が機能していない証拠です。
次に多いのが、リモコンに「111」「110」「11」などのエラーコードが表示されるケースです。メーカーによって番号は異なりますが、これらは「点火不良」を意味しています。リンナイやノーリツなど主要メーカーでは、点火装置の不具合時にこれらのコードを表示する仕様になっています。
その他、お湯の温度が安定しない、ぬるいお湯しか出ない、追い焚きが作動しない、お湯が出るまでに異常に時間がかかるといった症状も、点火装置の劣化や故障によって引き起こされることがあります。
なぜ点火装置だけが壊れるのか?3つの主要原因
点火装置が故障する原因は、大きく3つに分類されます。
原因1:経年劣化(最も多い)
点火装置の一般的な寿命は7~10年とされています。長年使用することで、火花を飛ばす電極部分が摩耗したり、錆びたりして劣化します。独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の調査では、屋外設置式ガス給湯器の事故のうち約3割が経年劣化によるものと報告されています。
参考:https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/mailmagazin/2024fy/vol471_250225.html
原因2:水分やホコリによる環境的要因
台風や大雨の後、給湯器内部に水分が侵入して点火装置が濡れると、一時的に火がつかなくなることがあります。また、長年の使用でホコリや異物が蓄積し、点火装置の電極を覆ってしまうことも故障の原因です。
原因3:電気系統のトラブル
配線の接触不良、落雷による給湯器の制御基板の損傷なども、点火装置が作動しなくなる原因となります。点火装置自体は正常でも、電気が届かなければ火花は飛びません。
ガスは来てるのに火がつかない時の確認手順
点火装置の故障を疑う前に、まず以下の手順で状況を確認しましょう。
ガスコンロやガスファンヒーターなど、他のガス機器が正常に作動するか試します。これにより「ガスは来てる」ことを確認できます。
表示されているエラーコードをメモし、取扱説明書やメーカーの公式サイトで意味を調べます。
ガスメーターに赤いランプが点滅していれば、安全装置が作動している状態です。東京ガスの公式サイトでは、この状態の復帰方法が詳しく説明されています。
分電盤のブレーカーが落ちていないか、給湯器の電源プラグが抜けていないかを確認します。
これらをすべて確認しても火がつかない場合、点火装置の故障が濃厚です。
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今すぐ試せる対処法と絶対に守るべき安全ルール
点火装置の不調に対して、自分で試せる対処法がいくつかあります。
まず試すべきは給湯器の電源リセットです。リモコンの運転スイッチを切り、3分ほど待ってから再度入れ直します。一時的な電気的不具合であれば、これで解消することがあります。
ガスメーターの安全装置が作動している場合は、メーター本体の復帰ボタンを押して解除します。ボタンを押した後、3分程度待ってから給湯器を再起動してください。
台風や大雨の直後に火がつかなくなった場合は、湿気が原因の可能性があります。この場合は半日から1日ほど自然乾燥させることで、点火装置が復活することがあります。
点火プラグ(火花が出る部分)の表面に軽い汚れがある場合、乾いた柔らかい布で優しく拭き取ることは可能ですが、力を入れすぎると破損の恐れがあるため、自信がない方は無理をせず専門業者に相談しましょう。
作業前の安全確認(必須)
- 給湯器の電源を必ず切る
- ガスの元栓を閉める
- 窓を開けて換気する
- ガス臭がする場合は絶対に電気スイッチに触れず、すぐにガス会社に連絡する
専門業者に依頼した場合の修理費用は?
自分での対処で改善しない場合、専門業者による修理が必要です。
点火装置(イグナイター)の交換費用は、部品代と作業工賃を合わせて1万円~2万円程度が一般的な相場です。点火プラグのみの交換も同様の価格帯となります。
ただし、点火装置と同時に制御基板(給湯器の頭脳にあたる部品)も故障している場合、修理費用は3万円~10万円と高額になります。
修理か交換か?判断の目安
| 給湯器の使用年数 | 推奨される対応 | 理由 |
|---|---|---|
| 5年未満 | 修理を推奨 | まだ他の部品も十分使える |
| 5~10年 | 修理費用次第 | 2万円以内なら修理、それ以上なら交換検討 |
| 10年以上 | 交換を推奨 | 他の部品も劣化している可能性が高い |
日本ガス協会では、給湯器の安全な使い方として長期使用製品(目安10年)の点検を推奨しています。使用年数が10年を超えている給湯器の場合、点火装置以外の部品も劣化が進んでいるため、修理よりも本体交換を検討した方が経済的かつ安全です。
なお、メーカー保証は一般品で1年間、BL(ベターリビング)認定品で2年間です。保証期間内であれば、無償または低コストで修理できる可能性があるため、まず保証書を確認しましょう。
まとめ:ガスは来てるのに火がつかない時は点火装置を疑おう
ガスは来ているのに給湯器の火がつかない場合、点火装置だけが壊れている可能性が高いです。点火時の「カチカチ」音がしない、エラーコードが表示されるといった症状が出たら、まずは電源リセットやガスメーターの確認など、安全に配慮しながら自分でできる対処を試してみましょう。
それでも改善しない場合は、専門業者に診断を依頼することをおすすめします。特に使用年数が10年前後の給湯器は、点火装置以外の部品も劣化している可能性が高いため、修理と交換のどちらが適切かを専門家と相談して判断してください。
経済産業省の「長期使用製品安全点検制度」では、石油給湯器は製造から9~11年で法定点検が義務付けられています。定期的な点検と適切なメンテナンスで、給湯器を安全に長く使いましょう。
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