
1階は問題ないのに2階だけぬるい…給湯器が古いから交換するしかないよね…。

実は原因は5つあって、給湯器交換が必要なのは一部だけ。まずは4千円からできる対策を試してみませんか?
「1階の水栓では問題なく熱いお湯が出るのに、2階だけぬるくて困る」──このような悩みを抱えている方は少なくありません。
特に冬場になると症状が悪化し、シャワーの温度が安定せず不快な思いをすることもあるでしょう。
2階だけお湯がぬるくなる原因は、給湯器から遠いことだけではありません。配管距離による熱の逃げ、高さの違いによる水圧不足、給湯器のパワー不足、配管の太さの問題、蛇口の故障など、複数の要因が絡み合っているケースが多いのです。
この記事では、2階だけお湯がぬるくなる主な原因と、自分でできるチェック方法、そして効果的な対策について解説します。
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2階だけぬるいのはなぜ?5つの原因を解説
原因1:配管距離による熱の逃げ
給湯器から2階の水栓までの配管が長いと、途中でお湯が冷めてしまう現象が起こります。
配管を通る間に熱が外気に奪われ、温度が下がってしまうのです。特に屋外に露出している配管や、断熱材(保温材)が巻かれていない配管では、この傾向が顕著になります。
メーカーによると、配管長さが1mから7mに延びるだけでも熱の逃げる量は増加します。
冬場は外気温が低いため、夏場に比べてさらに放熱が大きくなります。保温材の有無や厚みによって熱の逃げ方は大きく変わるため、配管の保温状態を確認することが重要です。
原因2:高低差による水圧不足は避けられない
給湯器が1階にあり2階で使用する場合、高さの違いにより水圧が低下します。
一般的に高さ1mにつき約10kPa(0.1kgf/cm²)の圧力が失われるとされており、水圧が低いと給湯器の能力が十分発揮されず、温度が安定しません。
2階・3階では元々の水圧が低いため、お湯の温度や出る量が不足しやすい傾向があります。マンションの高層階でも同様の問題が発生することが知られています。
原因3:給湯器の号数不足という見落とし
給湯器の「号数」とは:1分間に水温+25℃のお湯を何リットル作れるかを示す能力のことです。
16号や20号の給湯器では2階への給湯時にパワー不足になりやすく、お風呂とキッチンなど複数箇所で同時使用すると、各箇所に供給される能力が分散されてしまいます。
さらに冬場は水道水の温度が5~10℃まで低下するため、夏場(25℃)と比べて給湯能力が約30%も低下します。
メーカーによると、24号給湯器であれば2階でも2箇所同時使用が可能なケースが多いとされています。
原因4:配管の太さ・経路に問題はないか
給水管・給湯管の口径(太さ)が細いと水圧・流量が不足します。
一般的に、16号給湯器には13mm配管、20号には16mm、24号には20mm配管が目安とされており、給湯器のパワーに応じた適切な配管の太さを選ぶ必要があります。
また、配管の曲がり(エルボ)が多いと抵抗が増え圧力の損失が大きくなります。
築年数が経過した住宅では配管内部のサビや水垢で通り道が狭くなっている可能性も考えられます。
原因5:混合水栓の故障を疑うべきケース
特定の場所(2階浴室のみ)だけぬるい場合、蛇口側の故障の可能性が高くなります。
サーモスタット混合水栓(温度調整ハンドル付きの蛇口)は給湯器の設定温度以上の熱いお湯は出せない構造になっており、内部のサーモバルブが故障すると温度調整がうまくいかなくなります。
パッキンの劣化やカートリッジ(内部部品)の故障でもぬるくなることがあります。
1階と2階の両方で問題があれば給湯器本体の可能性が高いですが、2階だけの場合は蛇口の点検から始めるのが賢明です。
自分でできる原因の切り分け方は?
まず給湯器リモコンの設定温度が低くないか確認しましょう。
次に2階の止水栓(水の流れを調整する栓)が全開になっているかも重要なチェックポイントです。
他の場所(1階やキッチン)でも同じ症状が出るか確認することで、給湯器本体の問題かどうかを切り分けられます。
シャワーヘッドや蛇口のフィルター(網目の部分)の詰まりも意外な原因となることがあります。
給湯器を使い始めて8~10年以上で症状が出た場合や、リモコンにエラーコードが表示される場合、異音・異臭・黒い煙など危険な兆候がある場合は、自分でチェックせず専門業者に依頼すべきです。
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給湯器の設定温度を高く(夏50℃・冬60℃)に設定することで改善するケースがあります。
2階での使用時は他の水栓を同時使用しないことも有効です。
一般的に、冬は配管からの熱の逃げを想定して高めの温度設定が必須とされています。
サーモスタット混合水栓の場合は構造上、給湯器の設定を10℃以上高めにする必要があります。
配管保温対策で熱の逃げを防ぐ
屋外に露出している配管に保温材(チューブ状・テープ状のカバー)を巻くことで熱の逃げを抑えられます。
配管の太さ20A・保温材の厚み30mmで約4,000~5,000円/m程度の費用がかかりますが、DIYでも可能です。
保温材の厚みや材質により効果が変わるため、隙間を作らず巻くのがコツです。
メーカーによると、保温材と凍結防止ヒーターの組み合わせが効果的とされています。
給湯器の号数アップで根本解決
16号から20号、20号から24号への交換でパワーが向上します。
給湯器交換費用は平均20万円前後(工事費込み)で、最安価格帯は7.7万円から、最高価格帯は40万円前後です。
号数を上げると本体価格が1~4万円程度高くなりますが、家族の人数や使用状況に応じた適切な号数選びが重要です。
一般的に、使用10年超なら修理より交換が経済的とされています。
その他の対策:加圧ポンプと蛇口交換
2階・3階でシャワーの水圧が弱い場合、給湯加圧ポンプの設置が有効な解決策です。
特定箇所のみの問題なら蛇口交換で解決します。サーモスタット混合水栓の交換は2~4万円程度、パッキン交換のみであれば1.2万円程度で済みます。
作業時間は30分~1時間程度です。
【原因別】対策と費用の比較表
| 原因 | 主な対策 | 費用目安 | 効果 |
|---|---|---|---|
| 高低差による水圧不足 | 給湯加圧ポンプ設置 | 専門工事が必要 | 水圧・流量改善 |
| 給湯器の号数不足 | 24号への交換 | 平均20万円前後 | 根本的に解決 |
| 配管の太さ不足 | 配管引き直し | 高額(要見積) | 長期的に有効 |
| 蛇口の故障 | 混合水栓交換 | 2~4万円 | 該当箇所は改善 |
※ 費用は工事費込みの目安です。業者により異なります。
まとめ:原因を見極めて適切な対策を選ぼう
2階だけお湯がぬるい原因は給湯器から遠いことだけではなく、配管距離による熱の逃げ、高低差による水圧不足、給湯器の号数(パワー)不足、配管の太さの問題、蛇口の故障など複数の要因が考えられます。
まずは給湯器の設定温度確認や止水栓のチェックなど、自分でできる基本的な確認から始めましょう。
冬だけぬるくなる場合は水温低下による正常な現象の可能性もありますが、使用10年超の給湯器であれば経年劣化(古くなって性能が落ちること)も疑うべきです。
配管保温対策(4,000~5,000円/m)、蛇口交換(2~4万円)、給湯器交換(平均20万円)など、原因に応じた適切な対策を選択することで、快適な給湯環境を取り戻せます。
症状が改善しない場合や給湯器が古い場合は、専門業者による点検・交換を検討しましょう。
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