
給湯器の炎、なんか赤いんだけど…これって大丈夫なのかな?

危険です。すぐに使用を中止してください。不完全燃焼で一酸化炭素中毒のリスクがあります。
給湯器の炎をのぞいたとき、いつもと違う赤やオレンジ色の炎が見えて驚いたことはありませんか?「ガスの炎は青いはず」と思っていた方も多いでしょう。
実は、給湯器の炎が赤い場合、不完全燃焼を起こしている危険性があり、最悪の場合は一酸化炭素中毒で命を落とす可能性があります。
本記事では、炎の色が示す意味と、赤い炎を発見したときに取るべき緊急対応について、公的機関の情報をもとに分かりやすく解説します。
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給湯器の青い炎と赤い炎、どう違う?
給湯器が正常に動いているとき、炎は青色をしています。これはガスと酸素が適切に混ざり合い、完全燃焼している証拠です。青い炎の温度は約1,500℃以上に達し、ガスが効率よく燃えている状態といえます。この状態では、ススも出にくく安全です。
対して、赤い炎やオレンジ色の炎が出ているときは、不完全燃焼を起こしている可能性が高いのです。酸素が足りず燃料が完全に燃えきらないため、炭素の粒(スス)が光って赤く見えます。このとき燃焼温度は約800〜1,000℃程度まで下がります。
ただし注意点として、例外的なケースもあります。加湿器を使っているときや調理中に、水道水に含まれるカルシウムやナトリウムといったミネラル成分が炎と反応して、一時的に赤く見える「炎色反応」という現象です。東京ガスの公式サイトによれば、加湿器を止めると青い炎に戻る場合は、この炎色反応によるもので安全性に問題はありません。
なぜ赤い炎は危険なのか?一酸化炭素中毒のリスク
給湯器の炎が赤いことで最も恐ろしいのは、不完全燃焼により有毒な一酸化炭素(CO)が発生することです。
厚生労働省の資料では、一酸化炭素について「無色・無臭で存在を感知しにくいが、強い毒性を有する」と警告しています。一酸化炭素は血液中のヘモグロビンと結びつきやすく、体中に酸素を運ぶ機能を妨げます。そのため、軽い頭痛や吐き気から始まり、気を失ったり、最悪の場合は死に至るまで、本人も気づかないうちに被害が進行するという特徴があります。
経済産業省の資料には、空気中の一酸化炭素濃度別の危険度が示されています。
| 空気中の一酸化炭素濃度 | 人体への影響 |
|---|---|
| 0.04% | 1〜2時間で頭痛や吐き気が発生 |
| 0.16% | 20分で頭痛・めまい・吐き気、2時間で死亡 |
| 0.32% | 5〜10分で頭痛・めまい、30分で死亡 |
| 1.28% | わずか1〜3分で死亡 |
現実にも悲惨な事故が起きています。2020年12月、大阪府内でガス給湯器の不完全燃焼により1名が亡くなる事故が発生しました(https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/mailmagazin/2020fy/vol375_210222.html)。原因は換気不足と長期使用(約34年)によるほこりやススの詰まりでした。
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給湯器の炎が赤くなる5つの原因とは
給湯器の炎が赤くなる原因はいくつかありますが、中でも最も危険なのは換気不足による酸素不足です。
1. 換気不足による酸素不足
室内の換気が十分でなく酸素が足りない状態で燃焼すると、一酸化炭素中毒のリスクが急激に高まります。特に屋内に設置された開放式小型湯沸器で起こりやすい現象です。
2. バーナーや熱交換器の汚れ・詰まり
調理時の油はねや食べ物のこびりつき、長年蓄積したススやほこりによって、空気を取り込む穴が塞がれてしまいます。すると空気の供給が不十分になり、不完全燃焼につながります。
3. 給気口・排気口がふさがれている
給湯器の周りに物を置いていたり、落ち葉やゴミ、鳥の巣などで給気口や排気口が塞がれていると、酸素の循環がうまくいかず不完全燃焼を起こします。
4. 給湯器の経年劣化
給湯器の寿命は約10年とされています。長く使い続けることで、バーナーや燃焼室、熱交換器が劣化し、燃焼が不完全になっていきます。東京ガスの公式サイトによれば、多くの給湯器で8年頃から故障や動作の不安定さが現れ始めるとのことです。
5. 給湯器の水漏れ
漏れた水がバーナーの中に入り込むことで、不完全燃焼を引き起こす場合もあります。
赤い炎を見つけたら今すぐやるべき5つの対応
給湯器の炎が赤いことに気づいたら、一刻も早く以下の手順で対応してください。一酸化炭素は目に見えず臭いもしないため、気づかないうちに中毒症状が進行する危険があります。
- その場で給湯器の使用を中止する
- ガス栓をしっかり閉める
- 窓を開けて十分に換気する(重要:換気扇は使わず、必ず窓を開けること。ガス漏れの可能性がある場合、換気扇のスイッチによる静電気でガスに火がつく危険があるため)
- いったんその場を離れ、換気後に炎の色を再確認する
- 青い炎に戻らなければ、すぐに専門業者へ連絡する
絶対に自己判断で何度も点火し直さないでください。不完全燃焼を起こした給湯器の内部にはススがびっしり付着しており、再点火するとさらにススが増え、一酸化炭素中毒の危険性が増します。
参考情報として、経済産業省のガス事業法により、平成元年(1989年)から給湯器への不完全燃焼防止装置の設置が義務づけられています(https://www.meti.go.jp/shingikai/shokeishin/seihin_anzen/pdf/018_06_01.pdf)。
この装置は、機器内部の温度変化から不完全燃焼を検知し、自動的にガスを止める仕組みです。さらに平成20年(2008年)4月以降に作られた瞬間湯沸かし器には、3回連続で安全装置が作動すると点火できなくなる機能も備わっています。
まとめ:給湯器の赤い炎は命に関わる危険信号
給湯器の青い炎は正常な完全燃焼の証で安全ですが、赤い炎は不完全燃焼のサインであり、一酸化炭素中毒という命に関わる危険をはらんでいます。赤い炎の主な原因は、換気不足、バーナーの汚れ、給気口や排気口の詰まり、そして経年劣化です。
一時的な炎色反応で赤く見えるだけなら問題ありませんが、常に赤い炎が出ている場合は危険信号です。赤い炎を発見したら、すぐに使用を止め、ガス栓を閉め、窓を開けて換気し、専門業者に連絡してください。給湯器の寿命は約10年ですので、定期的な点検と適切な時期での交換も欠かせません。
日頃から必ず換気を行い、給気口や排気口の周りに物を置かず、異音・異臭・炎の色の変化に注意することで、不完全燃焼のリスクを大幅に減らすことができます。ご家族の安全のため、今日から給湯器の炎の色をチェックする習慣をつけましょう。
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